将棋

将棋道場のマナー問題

将棋道場のマナー問題

将棋道場のマナーが悪くなってる?


最近、将棋道場(特に会館道場など)のマナーが悪いと感じる――みたいなツイートを将棋クラスタの方々がしていました。

マナーが悪いって具体的にどういうこと?

将棋という競技内でのマナーの悪さと、こいつ人間としてやべぇの二種類があると思うのです。前者は注意で改善されますが、後者は現場レベルでは無理ゲー。大学時代3年間程、街の将棋道場でバイトをしていましたが、ほんと後者は無理なんですよ。

まぁ、それはともかく、普通に注意したら改善されるほうのマナーについて語っていきましょう。

「王」と「玉」

リアルの将棋駒には、「玉」に当たる駒に「王将」と「玉将」の二種類があります。目上の人(強い人)が「王」を持ち、目下の人(弱い人)が玉を持つのがマナーとされています。

子供が「王将」の方をとって並べてしまうと怒りの波動に震えるお爺さんやおじさんは普通にいます。初心者や子供の場合、単に知らないというケースが多いので優しくやんわりと教えてやるのが理想ですね。

一定程度、品のある人達が集う場所では逆に「王」の押し付け合い、「玉」の取り合いが起こります。

「あなたのほうが強いんですから」「いえいえあなたのほうが」
「年上ですし」「わたしはあなたを尊敬しているのです」
「まぁまぁまぁまぁ(王を押しつけながら)」「ままままままままま(玉を握りしめながら)」

放っておいたらチューしてそのまま付き合っちゃいそうな掛け合いが行われます。これはこれで面倒くさいですけど、(俺のほうが格上だろっ)とキレ合うよりはよっぽどいいと思うのです。

角不成

成れる場所のにあえて不成(ならず)で行く――というのも相手をイラッとさせるかもしれません。僕も実際の対局でやられるとちょっとイラッとくるかも。

ただ、対局相手に注意するかというとしないです。将棋のルール上許されている指し方ですからね。僕を含めかなり多くの人がイラッとするのはなぜなんだろう?というほうを考えてみたい。「成でも不成でもよい場合、不成でいくのがマナー」というふうな歴史になっていてもおかしくないと思うので。

イラつく人もいるので、リアルではやらないほうがよい――という感じのマナーと言えそうです。大会では精神攻撃・心理戦として角不成してくるタイプの人もいますけどね・・・・・・。

長考

対局時計のない道場で出てくるのが「長考」に関する問題です。やべぇ人は「お前はタイトル戦を戦う棋士かっ!」って感じで一時間レベルの長考をしてきます。

こっちはプロ目指してるねん! 道場で何局も指して棋力上げていきたいねん!

みたいな子が「長考おばけ」と当たるとまぁ大変。長考に入られるよりも先に投了するぐらいしか対処法がないのです。相手が長考している最中に投了ができればいいのですが、相手の手番での投了はマナー違反。

手合い係と仲良くなって「あの人とは当てんといて」と頼んでおくとよいでしょう。

あまりに早指し

ノータイムでバシバシ指されて負かされる――というのは辛いですし、屈辱です。「お前相手に考える必要なんてないんだよっ」って言われているようで惨めです。ただ、マナー違反かと聞かれると微妙なところ。

才能のある子供の級位者時代は多かれ少なかれそんな感じなのです。3秒も考えないで指してそれが不思議と急所をついている。1分手が止まったら長考で、迷った末に逆に悪手を指してしまう。そんなもんなんです。

品格のある大人としては、ノータイムでビシバシ指せる手でもゆっくりと優雅な手付きで指すのが素敵です。

暴言

暴言は盤上のマナーを外れて、人としてのマナーに入りますね。相手を軽くみたり、馬鹿にするようなことは口に出してはいけないのです。

「この子弱すぎるわっ」

とかは、後で手合い係に「棋力が合ってないんと違うか」と伝えておけばよいだけの話です。

子供や新人バイトといった立場の弱い相手に対して強く出る大人は結構います。こういう人が道場内で幅をきかせるようになると、場の格式がどんどん下がっていくので注意したいところですね。

子供のマナー

ブームで将棋を覚える人が増えて、マナーをわきまえないまま道場に来てしまう子供も出てきているのでしょう。
ただ、しっかりとした大人に教わっていない子供のマナーが悪いのは昔からの話です。

子供に対しては注意がしやすいですし、その結果改善される率も高い。注意の仕方も上手い下手があって、上手い人は子供の反感を買わず、逆に尊敬される形で注意できています。ここらへんは人間力ですよね。

マナーを一定以上に保たなければならない理由

これは経営者・運営者視点のお話です。
会館道場のように、それなりに大きな箱で、誰でも来ることができて、明確な責任者がいない場所ではマナーを保つことは難しいと思います。

最近、小規模で将棋を指す場を作り始めている人は、場のマナーを一定以上に保ったほうがよいです。

将棋道がうんたらこーたら・・・・・・みたいな話じゃなくて、経営・収益化の面で場の格式が大切になると思うからです。小規模でやる場合、お客さんの質が重要になってきます。理想のお客様の条件は次のような感じでしょうか。

向上心がある 棋士を呼んだり、講座を開いたりした時に参加してくれる
金払いがよい 気持ちよくお金を払ってくれる
新しい人を連れてきてくれる 影響力があって、場の拡大に協力してくれる

 

マナーがよい人は、上記の条件を備えている率が高い――ような気がします。で、そういう人は場の格式が下がると逃げていってしまいます。よい場を提供することができるようになれば、客単価を上げることもできるでしょう。

お洒落さ、綺麗さ、親切さ、豪華な棋士ゲスト――などで集客に成功している例も出てきているように思います。

マナ悪さん達の居場所

マナーの悪い人を追放していったら、彼らの居場所はどうなるんだ!という議論もあります。

まぁ、今から将棋を指す場を作ろうとしている個人経営者には関係のない話ですし、マナ悪さん達の居場所がすぐになくなるようなこともないと思います。(マナ悪さんの生命力はものすごいので絶滅はしない)

ここらへんは、孤独で、人間関係を作れない、傲慢な男性の老後問題――とつながってくるのでしょう。高齢化が進む中で大きな市場となっているので、実業家の人達には色々と狙っていってもらいたいところです。

マナーは年をとってからではなかなか直らないので、ある程度若い頃から遊ぶ場所での適切なふるまいを身に着けるしかありませんね。