コラム

イトシンTVで対局した(1)心の中で小さな棋士が正座する

イトシンTVで対局!

マッチング!

先日、将棋ウォーズでプロ棋士の伊藤真吾先生とマッチングしました!!!

伊藤真吾先生と言えば・・・・・・そう!イトシンTV!

イトシンTV

プロ棋士がYouTuberになる時代!ということで、伊藤先生はアマチュアにもわかりやすい対局動画の配信をされています。投稿を始めてまだ2ヶ月程度ですが、登録者数は1万人超え。動画のクオリティと潜在ファン数を考えると、まだまだ大きくなっていきそうです。

本対局の詳細は下のYouTube動画を見ていただくとして、この記事では僕の側から見た将棋の感想を綴っていきたいと思います。イェイ、イェイ。

 

四間飛車vsエルモ囲い右銀急戦 将棋ウォーズ実況 第21回

14級か~って、えぇ!!「itoshinTV」!!!

初手からの指し手:
▲2六歩△3四歩▲2五歩△3三角 ▲7六歩 △4二銀▲7八金(図1)

(図1)

将棋ウォーズでマッチングが決まった時、僕は相手の級と勝率を見ます。えーと今回はと・・・・・・。

14級。

僕が五段なので、18階級差です。とは言え、油断できるものではありません。鉄強者が新規登録していて、段級位が上がりきっていないケースもありますし、使い手、棋神勢という可能性も残っています。

次にこれまでの相手の勝敗を見ます。高勝率ですが2局ほど負けているのが目に付きました。全勝級位者とのマッチングはボロ負けを覚悟しますが、何回か負けている人は適正段位が2,3段程度というケースが多いのでちょっとやる気が出てくるのです。

僕はぬるま湯気分で上図▲7八金と指しました。角換わりや雁木を想定した一手。ただ、相手が振り飛車を目指してきた時に損になる可能性があります。でも、将棋は力ですのでなんとかなるでしょう。

ここで相手のハンドルネームが目に入ってきました。

itoshinTV

ん?

僕は将棋界の最新ニュースを隅から隅までチェックして追っている人間ではありません。でも、ツイッターのタイムラインで最近頻繁に流れてくる名前があったのです。

イトシン先生やんけ!

イェイ、イェイ!

プロ棋士の伊藤真吾先生がYouTubeで将棋ウォーズ実況を上げられているということは僕も知っていました。将棋クラスタの評判がとてもよいこと、「イェイ、イェイ」という謎のかけ声が存在すること、早速「itosinTV」の偽ハンドルが出てきていること(例:itoshinAV)ぐらいが事前に知っていた情報でした。

うろ覚えで、itoshinTVが本物かは断定できなかったのですが、指し回しを見ていると「本物なんだろうな」と確信が深まっていきます。へっぽこでしたが僕も元奨励会員。それぐらいはわかるのです。

心の中で正座する

相手が伊藤真吾先生だとわかると、こちらの心構えも変わってきます。なんと言いますか・・・・・・心の中の小さな棋士が正座をはじめるのです

将棋ウォーズにしろ、将棋倶楽部24にしろ、プロや奨励会員、アマ強豪と当たることがあり、相手も対局者が僕であると知っていることがあります。そういう時、僕は「絶対に負けたくない」というよりも、「恥ずかしくない将棋を指したい」という気持ちになります。プロを目指していた時は前者の感情が鞘走っていましたが、将棋界から遠ざかった現在では後者の気持ちが大きいんですね。結果的には相手がリアルの強者であると知っているほうが善戦できることが多いです。昨年の西日本団体対抗将棋大会で優勝チームの元奨三段の方に勝った時も「恥ずかしくない将棋を指したい」の一心でした。(時間勝ちでしたが・・・・・・)
(※鞘走る・・・・・・最早、シンフォギア用語と言っても過言ではない。ここではさきばしると同義)

(図1からの指し手)
△4四歩 ▲4八銀 △4三銀 ▲6八銀 △4二飛▲6九玉 △6二玉 ▲9六歩 △9四歩 ▲5六歩 △7二銀▲5七銀右 △7一玉 ▲3六歩 △8二玉 ▲7九金(図2)

(図2)

1図に至る最終手▲7八金を見過ごしてくれるはずもなく、イトシン先生は飛車を振ってきました。

いやぁ、困った。

中住まいでプロといい勝負ができるとは思えないし、持久戦から穴熊を目指すのもコテンパにされる未来が見えています。そして、通常形に戻すのは一手損。

2年ほど前の僕ならここで本当にまいってしまっていたことでしょう。

しかし、

▲7九金!

エルモ囲い!!!

そう、今の居飛車党にはエルモがあるのです。elmo様!ありがとうございます!
僕がアマ強豪以上と指して唯一勝負形に持ち込める算段があるのはこのエルモぐらいなのです。

elmo囲い急戦の基本!新感覚の振り飛車対策suimonの将棋上達ブログ
かなきち道場 エルモ囲い右銀急戦 徹底研究。かなきち道場

このあたりと、floodgateの棋譜をいくつか並べていて、多少の勘どころは掴んでいるつもりでした。もちろん、エルモ囲いに関しては棋書も出ているのですが、マイナビ出版の書籍は宗教上の理由で目を通す気になれず、確認できていないのです。出版社はクソでも書いている棋士の先生は素晴らしい・・・・・・ということが多いので、難しい問題なんですけどね。昨今の幻冬舎の問題と重なるところがあります。あそこもいい作家先生が本を出してることが多いんですよ。職業人としては気にせず買って目を通すべきなんでしょうけど・・・・・・。

はい、もとい。

プロ相手に一手損。

しかし、エルモ急戦においては、一手の損得は非常に繊細で、振り飛車に一手多く指させることで仕掛けが成立する――というケースもあるのです。このあたりは次回触れられればと思います。

▲7九金以降は中盤戦。仕掛けのタイミングをはかっていきます。

(つづく)

次回:エルモを巡る冒険


↑僕の将棋小説。

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